【2023年版】無料のフォーム作成ツール6選!HTMLとCSSでカスタマイズできるフォームも多数
この記事では、問い合わせフォームを作る時におすすめのサービスや手法を、機能やメリット・デメリットごとに解説していきます。もちろんこの記事で紹介するフォームは全て「無料」で使えるものだけです。
無料フォームの比較記事はたくさんありますが、どの記事もたくさんのフォームを紹介していて、正直どれを選べばいいか迷ってしまいます。なので、この記事ではあえて紹介するフォームを絞ることで、どれにするか選びやすいようにしています。
3つのジャンルごとに2つずつ紹介していきます。
※Googleフォームは有名すぎるので取り上げていません
フォームを選ぶ時に考えるべきこと
どのサービスのフォームを導入するか検討する場合は、以下の観点で考えます。
- 導入手法
- 機能
- 確認画面と完了画面
導入手法
導入手法は主に3つあります。
- サービスで導入する
- 特定のコードを埋め込むだけ
- 既存のフォームに対して導入する
- WordPressなどCMSのプラグインを使って導入する
- 自分でフォームを開発する(0から)
自分でフォームを開発するのは現実的ではないので今回は深く解説しません。
WordPressなどのCMSを導入している場合は、フォーム用のプラグインを使うことが多いです。WordPressであればContact Form 7が有名所だと思います。
サービスで導入する場合も、2つの選択肢があります。
「特定のコードを埋め込むだけ」は、ページのHTMLに数行のコード(iframeなど)を埋め込むだけで完結します。この場合、サービス側で用意されたフォームの見た目になることが多いです。
「既存のフォームに対して導入する」は、ページのHTML内にあるフォームタグに対して処理を加えます。こちらの場合は、CSSでフォームの見た目を自由に制御できます。
機能
フォームには様々な機能が必要です。サービスによっては使えない機能もあります。
以下はあくまで一部ですが、このような機能がフォームにはたくさんあります。どの機能が必要なのかをサービス選定時にはしっかりと整理しておくことが大切です。
- 自動返信メールの送信
- バリデーション
- ファイル添付
- スパム対策
- 送信されたデータの集計(CSVダウンロードなど)
特に自動返信メールやファイル添付はサービスやプランによってはできないこともあるので、事前に確認しておくことが大切です。
確認画面と完了画面
これらも機能のひとつになりますが、フォームによっては確認画面と完了画面が必要になることがあります。
ASPなどの成果タグが絡む場合、完了画面に計測タグを埋め込めるかどうかも重要なポイントになります。
無料プランだと完了画面のURL指定ができなくて、サービス側で容易された画面しか使えないパターンもあるので気をつけましょう。
おすすめフォームの比較一覧表
まずは簡単に比較できるように表を用意しました。記事の最後には、簡単に「この場合はこのサービスが良いかな」という個人的な感想もまとめています。
名称 | 導入方法 / カスタマイズ性 | ・広告の非表示
・自動返信メール ・フォーム作成数 ・送信数/月 ・管理画面の提供 ・完了画面URLの制御 |
備考など |
formrun | 導入方法は以下2パターン。
・既存のHTMLフォームに導入 HTMLでフォームを作れるので、CSSやJvaScriptで自由にカスタマイズできる。 |
広告の非表示:ロゴが表示される(無料プラン)
自動返信メール:◯ フォーム作成数:1個まで(無料プラン) 送信数/月:無制限 管理画面:提供有り 完了画面URL:自由に設定可能 |
管理画面では送信された内容などが確認できる。
日本企業のサービス&機能も必要最小限なので、とても操作しやすい。 |
HubSpot | 無料プランの導入方法は基本的には「管理画面で作成したフォームをサイトに埋め込む」の一択。
既存のHTMLフォームとHubSpotを連携させることは無料プランでもできるが、フォーム送信時に自動返信メールを送信したりなど、追加の処理を行うには有料プランにする必要がある。 |
広告の非表示:ロゴが表示される(無料プラン)
自動返信メール:無料プランだと不可 フォーム作成数:無制限 送信数/月:無制限 管理画面:提供有り 完了画面URL:自由に設定可能 |
大量の顧客データを管理する場合はformrunよりHubSpotがおすすめ。
フォーム以外にも様々な機能を提供しており、API連携など複雑な処理も行える。 外資系起業のサービスなので、慣れていないと管理画面の操作がやや難しい。 |
SSGform | HTMLフォームのaction属性に、発行されたURLをセットするだけで導入できる。 | 広告の非表示:◯
自動返信メール:◯ フォーム作成数:無制限 送信数/月:月100件まで 管理画面:提供あり※ 完了画面URL:自由に設定可能 |
※管理画面は提供されているが、そこで確認できるのは送信日時などのログ情報のみで、フォームの送信内容は確認できない。
セキュリティの観点からフォームの送信内容はあえて保存されないようになっている。 |
同上 | 広告の非表示:◯
自動返信メール:◯ フォーム作成数:1個まで(無料プラン) 送信数/月:月100件まで 管理画面:提供あり 完了画面URL:設定不可(無料プラン) |
管理画面では送信された内容が確認できる。
管理画面でURLを発行する必要があり、無料プランだと1つしか発行できない。しかし、複数のフォームに同一URLをセットすることは可能。 フォームのサンプルが豊富。 |
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PHP工房 | 配布されたテンプレートコードを使って導入する。多少のPHPの知識が必要(変数やincludeが分かれば大丈夫)。
当然普通のHTMLに対しても導入可能。 フォームの見た目やメールの内容など、完全自由にカスタマイズできる。 |
広告の非表示:◯
自動返信メール:◯ フォーム作成数:無制限 送信数/月:無制限 管理画面:× 完了画面URL:自由に設定可能 |
外部サービスは経由せず、自身のサーバー内で完結する。
かなり自由にカスタマイズができるが、コードの知識も多少は必要になる。 |
EasyMail | 同上 | 同上 | PHP工房と導入方法や仕組みはほぼ同じだが、EasyMailのほうが機能が多い。
しかし、個人的にはPHP工房より導入方法が難しく感じる(慣れないと癖がある)。
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formrun(フォームラン)
formrunは日本企業が運営しているメールフォーム作成サービスです。
「管理画面からフォームを作成する」と「HTMLに書かれている<form>タグに対して導入する」の2パターンでformrunを導入できます。なので、フォームの見た目をCSSなどでカスタマイズしたい場合はHTMLタイプでフォームを作成するといいでしょう。
セキュリティ対策やバリデーション機能なども備わっているので安心して使えます。
メリット
- 無料プランで必要最低限なことが十分できる(自動返信メールやサンクス画面のURL指定など)
- HTMLフォームに対しても導入できる(見た目を自由にカスタマイズできる)
- 管理画面がシンプルで使いやすい
- テンプレートが豊富
- SlackやChatworkへの通知連携が容易
デメリット
- 無料プランだとロゴが表示される
- 無料プランだとフォームを1つしか作成できない
- サンクス画面のURL指定が絶対パスのみ(相対パスで指定できない)
- フォームを呼び出すURLを管理画面でひとつひとつ登録する必要がある(localhostでも一応指定できる)
HubSpot
HubSpotはマーケティング、営業、カスタマーサービスなどの業務を支援するためのCRM(顧客管理システム)です。様々な機能を提供しており、その内のひとつがフォーム作成サービスです。
ドラッグアンドドロップで簡単にフォームを作成できて、プランをアップグレードするとフォーム送信時に特定の処理を実行させる(自動返信や特定のメールの送信など)ことなどができるようになります。
HubSpotフォームの大きな特徴のひとつは、既にサイトで使っているHubSpot以外のフォームを管理画面に取り込めるという点です。管理画面に取り込むことで、そのフォームが送信された時の処理をHubSpotで自由に制御したり、送信したユーザーを管理画面に自動で登録されるようになります。
メリット
- 自動返信を行わないのであれば、無料プランで十分賄える(サンクス画面のURL指定などが可能)
- 無料プランでフォームを無限に作れる
- 既存のフォームを取り込めるので、見た目を自由にカスタマイズできる
- API機能など、複雑なシステム連携もできる
- 自動化(ワークフローと呼ばれている)の機能で営業活動や顧客管理の効率化を図れる
デメリット
- 無料プランだとロゴが表示される
- 無料プランだと自動返信メールができない(管理者への送信は可能)
- 管理画面の操作が複雑
- 多機能が故に、機能を使い余す可能性がある
- わりと有料プランを使う前提になっている(無料プランだと使える機能が少ない)
SSGform
SSGformはHTMLの<form>タグのaction属性に発行されたURLを指定するだけで導入できるサービスです。
<form action="発行されたURLを入力" method="post">
<input type="text" name="お名前" required="required" />
<input type="email" name="メールアドレス" required="required" />
<textarea name="お問い合わせ内容" required="required"></textarea>
<button type="submit">送信する</button>
</form>
HTMLベースなので、もちろんCSSで見た目を変えることもできます。また、無料プランでもクレジットは表示されません。
メリット
- 無料プランでほぼ全ての機能が使える(自動返信メール、見た目のカスタマイズ、クレジット非表示など)
- 無料プランでも月あたり100件までフォームの送信ができる
- フォームを無限に作れる(URLを無限に発行できる)
- 導入が楽(<form>のaction属性にURLを追加するだけ)
- SlackやChatworkへの通知連携が容易
デメリット
- 管理画面で送信内容(ユーザーが入力した内容)を確認できない
- フロントエンド(クライアントサイド)のバリデーションを自分で実装する必要がある
- 確認画面を作るには自分で実装する必要がある(JavaScriptなど)
HyperForm
HyperFormもSSGformと同じで、<form>タグのaction属性に発行されたURLを指定するだけで導入できます。
メリット
- 無料プランで見た目のカスタマイズやクレジット非表示など)
- 無料プランでも月あたり100件までフォームの送信ができる
- 導入が楽(<form>のaction属性にURLを追加するだけ)
- 管理画面でフォームの送信内容を確認できる
- Slackやスプレッドシートへの連携が容易
- Webhookも容易されている
デメリット
- 無料プランだとフォームをひとつしか作れない
- 無料プランだと完了画面のURLが指定できない
- フロントエンド(クライアントサイド)のバリデーションを自分で実装する必要がある
- 確認画面を作るには自分で実装する必要がある(JavaScriptなど)
PHP工房
PHP工房からダウンロードしたPHPのCGIテンプレートを用いてフォームを実装します。なので、管理画面という概念は存在しませんが、代わりに自由にフォームをカスタマイズすることができます。
PHPを使いますが実装自体はとても簡単です。メールを送信する処理が書かれたPHPファイルをプロジェクト内に配置して、そのファイルのパスを<form>のaction属性に指定するだけです。
サンプルファイルもダウンロードできるので、PHPの知識がほぼ無い方でも実装できます。
メリット
- コードのみで完結するので、サービスの成約に縛られない(クレジットの表示や送信上限などが無い)
- 導入が楽(既存のHTMLを変える部分が少ない)
- 自由にカスタマイズできる(フォームの見た目やメールの内容など)
- サーバーサイドのバリデーションが内蔵済み
- 確認画面も用意されている
デメリット
- 色々カスタマイズをしようとするとPHPの知識が必要になる
- ベースとなるPHPファイルを変に触ってしまうとフォームの送信がエラーになる
- PHPのバージョンによってはエラーになる可能性がある
- PHPやCGIが使えないサーバーだと動かない(最近のサーバーならほぼ使えますが、ノーコードツールなどでは使えない可能性が高い)
- フロントエンド(クライアントサイド)のバリデーションを自分で実装する必要がある
EasyMail
PHP工房と同様、サイトからダウンロードしたテンプレートでフォームを実装します。
PHP工房より様々な機能がある分、実装方法やマニュアルを読み解くのが難しいです。
メリット
- コードのみで完結するので、サービスの成約に縛られない(クレジットの表示や送信上限などが無い)
- 自由にカスタマイズできる(フォームの見た目やメールの内容など)
- フロントエンド、サーバーサイド両方のバリデーションが内蔵済み
- 確認画面も用意されている
- 様々な機能がデフォルトで用意されている
デメリット
- 色々カスタマイズをしようとするとPHPやJavaScriptの知識が必要になる
- 導入する際に複数のファイルを読み込んだりと編集する箇所が多い
- マニュアルが分かりにくい(情報量が多いため)
- ベースとなるファイルを変に触ってしまうとフォームの送信がエラーになる
- PHPのバージョンによってはエラーになる可能性がある
- PHPやCGIが使えないサーバーだと動かない
まとめ
この記事では以下6つのサービスを紹介しました。私の推しには★を付けています。
無料プランで使用する前提ですが、私は以下のような基準で選定しています。
- 小規模サービスで工数を抑えたい、かつロゴの表示が許容されるなら formrun
- 上記に加え、顧客管理をがっつり行いたいなら HubSpot(自動返信メールは不要な場合)
- ロゴを表示したくない、かつ工数を抑えたいなら SSGform
- 上記に加え、フォームが1つでも大丈夫、かつWebhookかスプレッドシート連携が必要なら HyperForm
- コードのみで完結させたいなら PHP工房
- 上記に加え、EasyMailにしか無い機能を使いたいなら EasyMail
フォームのサービスを選定する際は、まず最初に作成するフォームに必要な機能や要件を完璧に洗い出しましょう。そうしないと、後から「実はこの機能も必要だった!」「でも今のサービスだとその機能が使えない...」のようになってしまいます。